つかまり立ちはいつから始まる?練習方法やおすすめの知育玩具を紹介
赤ちゃんは首がすわって、ハイハイもしっかりとできるようになると、次の段階として歩く練習へと移行していきます。
もちろんすぐに歩けるようになるわけではありませんので、一人で歩けるようになるためにつかまって立ち上がろうとする動作がみられるようになります。
この記事では、赤ちゃんがつかまり立ちをいつから始めるのか、つかまり立ちを慣らす方法や練習方法、注意点などについて分かりやすく解説していきます。
つかまり立ちとは?
つかまり立ちとは、赤ちゃんが周囲のものにつかまって立つ動作のことです。
動きが活発になってきた赤ちゃんは立って移動するためにつかまり立ちを始めます。
最初はしりもちをついてなかなか立てない赤ちゃんも徐々に足腰が鍛えられ長時間つかまり立ちができるようになります。
赤ちゃんが自分の力で立てるようになると行動範囲がグンと広がるためますます目が離せなくなる時期です。
つかまり立ちが始まる平均的な時期はいつから?
赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期は、生後8か月~9か月頃が目安といわれています。
しかし、赤ちゃんの成長には個人差が大きいため、6か月~7か月頃からつかまり立ちを始める子もいれば、1歳頃から始める子もいます。
厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査」によると、約9割以上の子が1歳までにつかまり立ちが可能となっています。
つかまり立ちから歩くまでの動作過程
赤ちゃんがつかまり立ちできるようになるまでにみられる動作には次のような過程がみられます。
- ●赤ちゃんの両脇を支えて立たせようとすると足を突っ張る
- ●両足で体重を支えられるようになる
- ●どこかにつかまっていると立ってキープできる
- ●自分でどこかにつかまって立ち上がる
始めのうちはしりもちをつくなど、不安定なので注意深く見守る必要があります。
このような動きをしているところを見かけたら、「そろそろだな」と心づもりしておきましょう。
つかまり立ちの時期が早すぎるとダメ?
生後6か月という早い時期からつかまり立ちを始める赤ちゃんも珍しくありません。
早くつかまり立ちを始めることは決してダメではありません。
好奇心や周りへの興味・関心が高いことがつかまり立ちを始めるのが早くなった理由と考えられています。
しかし、生後10か月前後につかまり立ちを始める赤ちゃんに比べて、まだ足腰の筋力が未発達です。
足腰が安定していない分、転倒のリスクが高いため一層の注意が必要です。
つかまり立ちをしないときはどうする?
周りの赤ちゃんがつかまり立ちをし始めたのに、まだつかまり立ちを始めないと焦ってしまうかもしれません。
成長の個人差も理由の一つに挙げられますが、次のようなことも考えられるので、あまり気にする必要はありません。
<赤ちゃんがつかまり立ちを始めない理由>
- ●座って手使って遊ぶのが好き
- ●ハイハイが楽しい
- ●つかまりやすいところが無い
- ●手や足腰の筋力がまだ弱い
つかまり立ちの練習は必要?
赤ちゃんがなかなかつかまり立ちを始めない場合、練習した方が良いのか悩むママも少なくありません。
しかし、足腰の筋肉が未発達であったり、バランス感覚が整っていなかったりするときは、まだ練習を始めない方がよいでしょう。
なぜなら、赤ちゃんの身体が準備できていない状態で練習すると身体を痛めるなど、かえってつかまり立ちの時期を遅らせてしまうかもしれないからです。
つかまり立ちの練習を始める場合は、赤ちゃんがつかまり立ちを始めそうな動きを見せてからにしましょう。
また、他の赤ちゃんを見て、つかまり立ちを始める場合もあるので、他の赤ちゃんの真似をしたり、関心を持ったりするように子育て支援の施設などを利用するのもおすすめです。
つかまり立ちの慣らし方は?
赤ちゃんにつかまり立ちを始めてもらうためには、その動きに慣れてもらうことが大切です。
ここでは、つかまり立ちを始めそうな赤ちゃんにぜひ試してもらいたいサポート方法について解説します。
- ●両手で身体を支えられるものを準備
- ●大人が両脇や腰を支えて興味を持たせる
- ●おもちゃを使って誘導する
両手で身体を支えられるものを準備
赤ちゃんの目線で考えて、身の回りにある物の高さを見直してみましょう。
赤ちゃんにとって、ちょうどよい高さのつかまりやすい椅子やテーブルなどがあれば、つかまり立ちへのアクションにつながります。
現時点で赤ちゃんの周りになければ、生活スペースに準備してあげることをおすすめします。
大人が両脇や腰を支えて興味を持たせる
つかまり立ちは、今までハイハイだった赤ちゃんの目線が上がることで視野が広がります。
新しい世界に赤ちゃんの興味や関心が高まる可能性があります。
赤ちゃんの興味を掻き立てられるよう、赤ちゃんの両脇に手をいれたり、腰を支えたりしてつかまり立ちを疑似体験させてみましょう。
無理のない程度に日々繰り返し行うことで、足腰の筋トレにもなります。
おもちゃを使って誘導する
赤ちゃんのお気に入りのおもちゃを使って、つかまり立ちへと誘導するのも良い方法です。
頑張れば手が届きそうなところにおもちゃを置いて、赤ちゃんの意欲を刺激してみましょう。
ただし、転倒などに備えて赤ちゃんをいつでも支えられるように見守りながら行うことが大切です。
つかまり立ちの練習におすすめの知育玩具はある?
椅子やローテーブルなどの家具でつかまり立ちの練習をするのも悪くはありませんが、より安全に赤ちゃんを楽しませながら練習するなら知育玩具を利用するのもおすすめです。
なぜなら、赤ちゃんのために作られているため、適度な高さと支えを備えていることに加えて安全性にも配慮されているからです。
手押し車
手押し車は、つかまり立ちを始める頃から、赤ちゃんが楽しく遊びながら歩行の練習ができる玩具です。
自立歩行に必要な筋力やバランス感覚を養うことができます。
進むことでおもちゃが動いたり、音が鳴ったりするので赤ちゃんの好奇心を刺激しながら練習できます。
ベビーサークル
プラスチック製や木製のベビーサークルもつかまり立ちの練習に有効な知育玩具です。
サークルの高さも豊富なので赤ちゃんの身長や月齢に合わせて選ぶことができます。
サークルにおもちゃがついているタイプなどもあるので、家事や料理中なども安心して赤ちゃんを遊ばせておける点もメリットです。
テーブル型おもちゃ
テーブル型のおもちゃは、型はめブロックや音が鳴るボタンなど赤ちゃんが立って遊べるように工夫がされています。
赤ちゃんの成長に合わせてテーブルの脚を取り外せるタイプもあり、つかまり立ちの前からも使用できます。
赤ちゃんが頭をぶつけるなど怪我をしないように角がないものを選びましょう。
つかまり立ちと発達障害の関係
赤ちゃんがつかまり立ちを始めたとき、つま先立ちばかりしていると発達障害が関係しているのか気になるママもいます。
ここでは、つかまり立ちを始めた赤ちゃんのつま先立ちすることについて解説します。
つま先立ちしたら発達障害のサイン?
つかまり立ちでつま先立ちをインターネットで検索していると、「発達障害」という言葉をたくさん目にします。
つかまり立ちを始めた頃に、つま先立ちをするということだけで発達障害を気にする必要はありません。
なぜなら、赤ちゃんはまだつかまり立ちを始めたばかりなので、足の使い方、歩き方を模索しているだけかもしれないからです。
あまりにもずっと長い間つま先立ちしかしない等、よほど気になる場合は小児科や保健師さんに相談してみてもよいでしょう。
つま先立ちをするさまざまな原因
つかまり立ちの時に「つま先立ちをよくしている」「つま先だちだけしかしない」と心配になるかもしれませんが、赤ちゃんがつま先立ちをする原因はさまざまです。
赤ちゃんがつま先立ちをする原因には次のようなパターンが考えられます。
- ①足の裏をつけたり、足の裏に触られたりすることが嫌いなケース
- ②膝をのばそうとすると一緒に踵が上がってしまうケース
- ③アキレス腱反射が亢進しているケース
(筋肉を伸ばされることに過敏だったり、筋肉の張りが強かったりする) - ④筋肉の張りが弱いケース
- ⑤その他 、筋肉などの神経以外に原因があるケース
これらの複数の理由が該当する場合もあれば、1つだけが該当する場合もあるでしょう。
症状の程度や年齢、成長の過程によっても特に生活の支障なく成長することもあるので、小児科など専門家に相談すると安心です。
つかまり立ちの早さと運動神経の関係は?
赤ちゃんがつかまり立ちを始めるのが早かった場合は、手足の筋肉が通常よりも発達していた可能性があります。
つまり、「下半身の筋力の発達が早かった」「手で物を握る力が強かった」という特徴があったため、つかまり立ちが早くできたということです。
しかし、だからといって運動神経が良くなることに影響を及ぼしたというエビデンスはありません。
発達障害であることも関連しません。
こんな様子がある場合は注意が必要
赤ちゃんの段階では発達障害かどうかの判断はできません。
しかし、次のような様子が見られたら、発達遅延の可能性が考えられるので、注意が必要です。
- ●つかまり立ちをほめても反応がない
- ●目が合わない
- ●つかまり立ちの際につま先立ちの状態が続く
- ●音に敏感、または鈍感
また、気になることがあれば、成長発達の記録をつけておくとよいでしょう。
つかまり立ちの意味と3つのメリット
赤ちゃんの「つかまり立ち」は成長過程においてさまざまな意味を持ちます。
つかまり立ちが赤ちゃんにどんなメリットをもたらすのかについて解説していきます。
<赤ちゃんにつかまり立ちがもたらすメリット>
- ①歩くための筋力とバランス感覚を養える
- ②腕や手指の力強さと器用さを養える
- ③視野が広がり新たな好奇心や関心が生まれる
①歩くための筋力とバランス感覚を養える
立ち上がるためには屈伸の動作をするために足腰の筋力が必要です。
はじめはつかまり立ちをした姿勢で身体のバランスを取るだけでやっとですが、繰り返していくうちに体幹が鍛えられて安定します。
それにより立った姿勢で長い時間バランスをとれるようになります。
また、しっかりと歩くために必要な足の裏で地面を捉える感覚を養うこともできます。
②腕や手指の力強さと器用さを養える
つかまり立ちは手指で物につかまることでそれを支えに立つ動作なので、腕や手指の力強さが重要なポイントです。
しっかり掴んで持つ筋力がないと立ち上がることができないからです。
また、掴んだり、放したりといった動作を通じて、細やかに手指を動かせるようになるでしょう。
③視野が広がり新たな好奇心や関心が生まれる
つかまり立ちをすると赤ちゃんの目線がこれまでよりも高くなります。
視野が広がるので、赤ちゃんは新たな刺激を受けて好奇心や関心が高まります。
それが、「歩いてみたい」という欲求につながり、つたい歩きや独り歩きへの動作と発展していきます。
つかまり立ちの練習の注意点
赤ちゃんがつかまり立ちをし始めた頃は安定して足で立つことができず、バランスもまだ上手く取れない段階です。
ここでは、赤ちゃんがつかまり立ちを練習する際の注意点について解説します。
<注意するポイント>
- ●練習中は側で見守ること
- ●転倒対策をすること
- ●周囲に危険なものを置かないこと
練習中は側で見守ること
赤ちゃんがつかまり立ちをしようとしている時は側を離れずに必ず見守りましょう。
バランスを崩して転倒するなどのリスクがあることを忘れてはいけません。
また、頭をぶつけたり、舌を噛んでしまったり、と思わぬケガをしないように安全な環境を整えてあげることが大切です。
転倒対策をすること
赤ちゃんの頭の重さは体重の約3割を占めるといわれています。
そのため、上手に身体のバランスが取れるようになるまでは後ろに倒れてしまいがちです。
つかまり立ちの練習をしている間は転倒対策としてリュックを付けるなど、安全に配慮しておくと安心です。
また、家具の角にクッションカバーをしたり、プレイマットを敷いたりすることもおすすめです。
周囲に危険なものを置かないこと
赤ちゃんのつかまり立ちが始まったら、赤ちゃんの行動範囲、手の届く範囲が広くなります。
そのため、ハイハイやお座りの時には手が届かなかったところにも赤ちゃんの手が届くようになるため、注意しましょう。
特に灰皿やタバコ、化粧品、ペンなどの先端の尖っているもの、割れ物やこぼれるものなどを置かないようにしてください。
また、赤ちゃんは手にしたものを口に入れるリスクがありますので、誤飲しそうなものも排除しておくことが重要です。
つかまり立ちの時期は人それぞれ! 赤ちゃんのペースに合わせよう
赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期は早くて6か月頃、多いのは8か月~9か月からできる子が多いと分かりました。
しかし、赤ちゃんの成長のスピードは人それぞれです。
つかまり立ちを始めるのが目安となる時期から早やくても、遅くても急いだり、焦ったりすることなく、この時期しかない赤ちゃんの成長を赤ちゃんのペースに合わせてサポートしていきましょう。
この記事を書いた人
メルシーママン編集部
育児に関するお役立ち情報やママさんたちが感じているお悩みを解決できるような情報を発信します!