ハイハイはいつから?赤ちゃんの発達との関係&よくある心配事まとめ
生後7~8ヶ月の赤ちゃんの約50%はハイハイができるようになっており、生後9~10ヶ月になるとその割合は90%を超えます。
赤ちゃんの発達には個人差がありますので、周囲の赤ちゃんと比べる必要はありません。
しかし頭ではわかっていても、気にならないと言えば嘘になります。
ハイハイはいつからスタートするものなのか、ハイハイをする時期の赤ちゃんの発達との関係はどうなっているのか、など、赤ちゃんの成長について知っておきましょう。
ハイハイはいつからする?
多くの赤ちゃんがするようになるハイハイは、生後何ヶ月頃からスタートするものなのでしょうか。
ハイハイが始まる時期や、いつ頃までするのか、といった時期についてご説明します。
- ●生後9ヶ月で約90%
- ●ハイハイはいつまでするのか
生後9ヶ月で約90%
生後9~10ヶ月の赤ちゃんの約90%以上が、ハイハイが可能であるとされています。
ハイハイの運動機能通過率を月齢別で見ると、以下のようになっています。
時期 | ハイハイができる子の割合 |
生後4~5ヶ月 | 0.9% |
生後5~6ヶ月 | 5.5% |
生後6~7ヶ月 | 22.6% |
生後7~8ヶ月 | 51.1% |
生後8~9ヶ月 | 75.4% |
生後9~10ヶ月 | 90.3% |
生後10~11ヶ月 | 93.5% |
生後11~12ヶ月 | 95.8% |
1歳0~1ヶ月 | 96.9% |
1歳1~2ヶ月 | 97.2% |
1歳2~3ヶ月 | 98.9% |
1歳3~4ヶ月 | 99.4% |
1歳4~5ヶ月 | 99.5% |
参照:厚生労働省「一般調査による乳幼児の運動・言語機能について」
70%以上の赤ちゃんが8ヶ月頃にはハイハイをしていますが、もっと早い赤ちゃんも、遅い赤ちゃんもいます。
平均的な時期であるか、ないか、の違いであり、ハイハイを始める時期が赤ちゃんの成長に何かしら問題があるわけではありません。
ハイハイはいつまでするのか
赤ちゃんのハイハイの終わりは、人それぞれです。ハイハイをするようになると、つかまり立ちやひとり歩きと成長していきますが、歩き始めてもハイハイをする子もいます。
「ハイハイよりも歩いた方が良い」と赤ちゃんが感じるようになれば、自然とハイハイをしなくなっていくでしょう。
ハイハイをしている状態であれば、赤ちゃんにとってそれがベストな移動方法だと考えられます。ハイハイは全身運動で大きく体を使う動きなので、無理にやめさせる必要もないでしょう。
ハイハイ前後の運動機能の発達
赤ちゃんのハイハイ前後の運動機能の発達について、みていきましょう。
生まれたばかりの赤ちゃんは首も座っていない状態ですが、少しずつ筋肉をつけ、順を追って成長していくとわかります。
- ●寝返り
- ●おすわり
- ●ずりばい
- ●ハイハイ
- ●つかまり立ち
寝返り
早い子では生後3ヶ月頃〜ゆっくりな子では10ヶ月頃に始まる寝返りは、赤ちゃんが始めてする全身運動で、運動機能の発達が促されていきます。
生後6ヶ月の乳幼児健診で寝返りができたか確認されますが、できていなくても気にする必要はありません。
赤ちゃんが自分で体をひねろうとしたり、横向きになろうとする動きが出てきたら、寝返りの兆候です。
ずっと仰向けの姿勢でいた赤ちゃんがうつ伏せの姿勢になり、顔を上げられるようになると視界も広がり、少しずつ興味も広がっていきます。
おすわり
赤ちゃんが床に手をつかずに、1分以上ひとりで座っていられたら、おすわりができたといえます。
生後9~10ヶ月頃の赤ちゃんの90%が、おすわりができるといわれています。
体を起こして座るので視線が高くなり、さらに周囲への好奇心が育つ時期です。
最初は短時間で背中が丸まって前に倒れてしまいそうになるかもしれませんが、この状態ではまだおすわりする筋肉が育っていません。無理せず短時間から始めて、寝返りやずりばいなどできる範囲でたくさん動いていきましょう。
ずりばい
生後6ヶ月~9ヶ月頃の赤ちゃんで、ずりばいがスタートします。
ずりばいとは、ハイハイのお腹が床についている状態で、腕と足の力で移動していきます。
寝返りを繰り返し、うつ伏せの状態が可能になると、手足をバタバタと動かすようになっていきます。
お腹を支点としてクルクル回り始めたら、ずりばいが始まる兆候です。筋肉の使い方や体のバランスが上手にとれないと、後ろに進んでしまう赤ちゃんもいます。
ハイハイ
寝返り、おすわり、ずりばいなどで、筋肉をつけてきた赤ちゃんが、床からお腹を離して四つ這いで移動するのがハイハイです。
ハイハイをするには筋力がついているだけでなく、移動したいという好奇心も必要です。
大人がハイハイをしてみるとわかりますが、全身の多くの筋肉を使っています。
ハイハイは、今後つかまり立ち、ひとり歩きと発達の段階が進むにつれて必要となる体作りをしている時期であるともいえます。
つかまり立ち
ハイハイの延長で家具やちょっとした段差に手をつくところから、つかまり立ちが始まります。
生後11~12ヶ月の赤ちゃんの90%が、つかまり立ちができるといわれています。
つかまり立ちをする頃の赤ちゃんは、指先も器用になってきており、指つまみができるようになってくる時期でもあります。指先の細かい動作ができるようになるには、体幹などの大きな筋肉が育っている必要があります。
つかまり立ちを始めたら、ひとり歩きに移行していきますが、ハイハイを並行して継続させる赤ちゃんもいます。
ハイハイを始める前兆は?
赤ちゃんがハイハイを始める前兆となるサインには、このような動きがあります。
- ●うつ伏せで手足をバタバタさせる
- ●うつ伏せで回転する
- ●うつ伏せでお尻を持ち上げたり下ろしたりする
- ●うつ伏せで腕を使って上半身だけ起こす
- ●ずりばいが後ろに進んでいる
このような動きが見えてきたら、まもなくハイハイを始めるでしょう。
赤ちゃんなりになんとか体を動かそうとしているのが、伝わってくるような動きばかりです。
体の使い方に困っているようであれば、手を添えるなどして、動きをサポートしてあげるとスムーズに動けるようになるかもしれません。
ハイハイ時期の赤ちゃんの発達
ハイハイをする赤ちゃんは、運動機能や感覚機能、認知機能など、多くの機能が発達していく時期です。
ハイハイをする生後9ヶ月前後の赤ちゃんの発達について、より細かく知っていきましょう。
- ●運動機能の発達
- ●感覚機能の発達
- ●認知機能の発達
- ●情緒面での発達
運動機能の発達
生後9ヶ月頃の赤ちゃんは、生まれてから目まぐるしいスピードで運動機能を発達させてきました。
ハイハイをして体の筋肉をつけているだけでなく、物を握る、ひっぱる、投げる、掴むといった手の平や指を使った動きもできるようになってきています。
ハイハイからつかまり立ちをするようになると、また視界が高くなり、行動範囲がどんどん広がっていきます。
感覚機能の発達
大人の感覚機能といえば五感(聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚)となりますが、赤ちゃんはこれらが完成されていません。生まれたばかりの頃は、聴覚や嗅覚のみで、視覚はぼんやりした状態です。
ハイハイをする時期は、運動機能が発達し行動範囲が広くなってきて、物・人・音に触れながら五感を発達させている時期です。
「目で物の動きを追視する」「オモチャを掴んで感触を確かめる」「物を舐めて確認する」などは、赤ちゃんなりに多くのものを学んでいる証拠です。
認知機能の発達
生後9ヶ月頃になると、認知機能が発達してきてママやパパと他人の区別がつくようになってきます。
人見知りをして苦労をしているというママさんも多いのではないでしょうか。
認知機能が発達してきたからこそ、「いないいないばぁ」という遊びも楽しくなってくる時期です。毛布の下に隠れたオモチャを探そうとするのも、認知機能が順調に発達しているサインです。
情緒面での発達
認知機能の発達によりママやパパがわかるようになると、さらに安心感をもって甘えられるようになっていきます。
嬉しいと笑顔を見せ、悲しいと泣いてアピールするといった、感情を表に出せるようになる赤ちゃんもいます。
離乳食も進み、大人と同じような食事が摂れるようになってくる時期です。
言語への理解ができる子も出てきていますので、大人がたくさん声をかけてあげるようにするといいでしょう。
ハイハイ時期にできる遊び
赤ちゃんがハイハイをするようになると、動きのある遊びができるようになってきます。
このような動きを遊びとして取り入れて、親子で楽しめるよう工夫してみましょう。
- ●バランスゲーム
- ●ボールまてまて
- ●トンネルくぐり
バランスゲーム
赤ちゃんはハイハイをしながらバランス感覚を鍛えている時期でもあります。
そこでちょっとした障害物をつくって、赤ちゃんのハイハイに負荷をかけてみます。クッションや枕、バスタオルを丸めるなどして、ハイハイで登ったり降りたりするコースを作ります。
楽しく体幹が鍛えられるよう、難易度は赤ちゃんの動きに合わせたコースを用意しましょう。
転んでしまうのも経験なので、転倒は問題ありません。
クッションをひいておくなど、転んでも怪我をしないような配慮をしておくといいでしょう。
ボールまてまて
興味のある物を見つけたら、一直線に目的に向かってハイハイできる時期です。
ボールを転がして、ハイハイで追いかける遊びをすると盛り上がるでしょう。
ボールを目で追うのは追視といって感覚機能の発達にもなります。
家族だけでなく、兄弟やお友達と一緒にやっても楽しめる遊びです。
トンネルくぐり
段ボールやマットでトンネルを用意し、中をハイハイでくぐっていきます。
一緒にお絵描きをした段ボールをトンネルにしてもいいでしょう。
いつもと同じお部屋であっても、子どもの好奇心を刺激する遊びになるでしょう。
自分の体のサイズ感を知る、ボディイメージを育てるという狙いもあります。
複数の体の部位を同時に使う協調運動の発達になり、歩行や食事といった日常生活に役立つ力となっていきます。
ハイハイ時期によくある心配
ハイハイは生後9~10ヶ月の赤ちゃんの90%ができる動きなので、できていないと不安になってしまうかもしれません。
ハイハイをせずにつかまり立ちをする赤ちゃんもいますので、発達に何かしらの関係があるとはいえません。
他にもハイハイに関するよくある心配を集めました。
- ●ハイハイをした時期で運動能力が決まるの?
- ●ハイハイをする期間の長さが重要なの?
- ●ハイハイをしないと発達障害があるの?
- ●ハイハイが早すぎ・遅すぎで発達に関係があるの?
ハイハイをした時期で運動能力が決まるの?
早い子では生後5ヶ月でハイハイをする赤ちゃんがいます。
一方で、ハイハイを全くせずに成長してしまう赤ちゃんもいます。
ハイハイを始めた時期で、将来の運動能力が決まるというわけではありません。
ハイハイを全くしない子でも元気に走り回るようになりますので、大きな心配はいりません。
ハイハイをする期間の長さが重要なの?
ハイハイをすると筋力がついたり、手の平への刺激が赤ちゃんに良いといわれています。
しかしハイハイをする時期が長いからといって、その後の成長に差がでるとはいえません。
ハイハイの時期が長いのは、その子にとって良い傾向であるといえますが、だからといってハイハイをしない子に強要するものでもありません。
ハイハイをしないと発達障害があるの?
「ハイハイは赤ちゃんの発達の段階のひとつである」と言われると、ハイハイしないと何か問題があるのかと心配になってしまうかもしれません。
発達障害との関係を心配する方もいますが、ハイハイの有無と発達障害の関連はありません。
発達障害かどうかを判断するのは、ハイハイではありません。
ハイハイが早すぎ・遅すぎで発達に関係があるの?
先述した通り、ハイハイが遅くても問題はありません。
早すぎるから、遅すぎるから、という理由で、心配をする必要はありません。
ハイハイはしなくてもいいけどした方がいい
ハイハイは赤ちゃんの成長段階のひとつとして、運動機能や感覚機能、認知機能などの多くの成長に影響を与えるものです。
ハイハイを楽しむ遊びもありますので、ママやパパも一緒に工夫しながら楽しんでみてください。
一方でハイハイが遅い、ハイハイをしないという赤ちゃんもいますが、発達に心配があるとは言い切れません。
ハイハイをしなくても元気に大きくなっている子も多いので、その子の成長をしっかりと見ながら、焦らず子育てをしていきましょう。
この記事を書いた人
メルシーママン編集部
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